「バドミントンのルールって複雑でよくわからない」「点数のカウント方法がいつも曖昧」——こんな悩みを抱えながらなんとなくプレーしている初心者の方は意外に多いものです。しかし、ルールを正確に理解することは、ただ試合ができるようになるためだけでなく、戦術的なプレーをするための土台でもあります。

ルールを知ることで「このサービスはどこへ打てるのか」「この状況ではサイドラインはどこまで有効か」という判断が素早くできるようになり、試合中の迷いがなくなります。逆にルールの理解が曖昧なまま練習を続けると、実際の試合で動揺し、実力が発揮できないという悪循環に陥ります。

このガイドでは、バドミントンのルールを初心者が混乱しやすいポイントを中心に、わかりやすく体系的に解説します。「なぜそのルールが存在するのか」という背景も合わせて説明することで、単なる暗記ではなく本当に理解できる内容を目指します。

📌 このガイドで学べること
  • バドミントンは「球技」なのかという分類上の疑問への答え
  • コートのサイズ・ネットの高さなどの基本数値
  • 点数のカウント方法(ラリーポイント制)の正しい理解
  • シングルスとダブルスのコートの違い
  • サービスルールの詳細(インおよびアウトの判定)
  • フォルト・レット・オーバー・スコア等の主要用語
  • 試合に出るために知っておくべきマナーと暗黙のルール

バドミントンは「球技」なのか?

意外に思われるかもしれませんが、「バドミントンは球技か?」という疑問は、学校の体育の授業や競技分類でよく議論されます。

結論から言えば、バドミントンは「球技」の分類に含まれます。学習指導要領においてバドミントンはテニス・卓球などとともに「ネット型球技」に分類されています。使用する道具は「シャトルコック」という羽根を使ったものですが、競技の形式(ネットを挟んで打ち合う)がボール競技と同じ分類に属するためです。

BWF(バドミントン世界連盟)の定義でも、シャトルコックは「バドミントン用の飛翔体」として規定されており、一般的なボールとは異なります。しかし学校体育・競技分類の観点からは「球技(ネット型)」として扱われています。この点は覚えておくと体育や競技の文脈での会話に役立ちます。

コートのサイズとネットの高さ

バドミントンのコートは国際規格で厳密に定められています。シングルスとダブルスでコートの有効範囲が異なることが特徴です。

コートの全体サイズ

  • コートの長さ(縦):13.4m(両エンドラインの内側の距離)
  • コートの幅(横):6.1m(両サイドラインの内側の距離)
  • サービスショートライン:ネットから1.98mの位置に設置
  • ロングサービスライン(シングルス):エンドラインから0.76m手前
  • ロングサービスライン(ダブルス):エンドライン上
  • センターライン:コートを左右に二分する(サービスの右・左を決める)

ネットの高さ

  • ネットポスト(サイドの柱)の高さ:1.55m
  • ネット中央の高さ:1.524m(約5フィート)

ネットはポスト付近より中央がわずかに低い弧を描いていますが、この差はわずか2.6cmです。コート中央が最もネットに近いため、クロスよりもストレートのショットがネットに引っかかりやすいという特性があります。

シングルスとダブルスのコートの違い

バドミントンのコートラインは複数の線が引かれており、シングルスとダブルスでどのラインを使うかが異なります。

項目 シングルス ダブルス
コートの横幅 5.18m(内側のサイドライン) 6.1m(外側のサイドライン)
サービスのロングライン エンドラインから0.76m手前(後ろ側) エンドライン上(コート最端)
ラリー中のサイドライン 内側のライン 外側のライン(最大幅)
💡 シングルスとダブルスのコート使い分けのコツ

初心者が混乱しやすいポイントは「ラリー中のサイドライン」と「サービスのサイドライン」が異なる場合があることです。ダブルスではラリー中は外側のサイドラインが有効ですが、サービス時は内側のサイドラインが有効になります(サービスコートが狭くなる)。逆にシングルスではラリー中は内側のサイドラインが有効ですが、サービス時は外側のサイドラインが有効(サービスコートが広くなる)です。

点数のカウント方法(ラリーポイント制)

現在のバドミントンの試合は「ラリーポイント制」を採用しています。以前は「サービスポイント制」(サービス権を持つ側しかポイントを取れない)でしたが、BWFは試合時間の安定化と観戦しやすさの向上のため、ラリーポイント制に変更しました(国際公式試合は2006年から)。

ラリーポイント制の基本

  • ラリーに勝ったほうが必ずポイントを得る(サービス権に関係なく)
  • 1ゲーム21点先取で1ゲーム獲得
  • 2ゲーム先取で試合勝利(2ゲームマッチまたは3ゲームマッチの場合は2対0か2対1)
  • 20対20になった場合は「デュース」となり、2点差がつくまで継続
  • デュース中は29対29になった時点で、30点目を取った方が自動的に勝利(キャップあり)

サービス権のルール

ラリーポイント制でもサービス権(どちらがサービスするか)は存在します。

  • ラリーに勝った側が次のサービス権を持つ
  • ラリーに勝って自陣のポイントが増えた場合、そのポイント数が偶数ならライト(右)サイドから、奇数ならレフト(左)サイドからサービス
  • ダブルスでは、ラリーに勝ったとき「サービス側が勝った」場合はサーバーは変わらないが、「レシーバー側が勝った」場合はレシーバーチームにサービス権が移る

サービスサイドの決め方(シングルス)

自分のポイントが偶数(0点含む)のとき→右サイドからサービス
自分のポイントが奇数のとき→左サイドからサービス

この「偶数→右・奇数→左」は試合中に混乱しやすいルールです。慣れるまでは意識して確認する習慣をつけましょう。

サービスルールの詳細

バドミントンのサービスルールは細かく、反則(フォルト)になりやすいポイントがいくつかあります。正確に理解しておきましょう。

サービスの基本ルール

  • サービスはサービスコート(ショートラインより後方)に向けて打たなければならない
  • サーバーとレシーバーはそれぞれの対角のサービスコートに立って行う
  • サービス時、両選手はコートの外に足を出してはならない
  • サービスはシャトルのコルク部分を打つ必要がある(フレームで打つとフォルト)
  • サービス時のラケットのシャフトと打球面は下向きでなければならない(フォールドサービスの禁止)
  • インパクトの瞬間、シャトル全体がサーバーのウェストライン(腰骨の一番高い部分)より下でなければならない

サービスフォルト(反則)になる主なケース

  • インパクト時にシャトルが腰より上にある
  • ラケットのフレーム部分がシャトルより上を向いている(上から叩くような動作)
  • サービス中に足がラインを踏んでいる・越えている
  • 打つ動作を始めたあとに止めた(フェイント行為)
  • サービスがネットを越えなかった
  • サービスが相手のサービスコートに入らなかった
  • パートナーが動くなどして相手の視線を遮った

フォルト・レットの違い

試合中に起こりうる反則や特殊な状況には、「フォルト(fault)」と「レット(let)」の2種類があります。

フォルト(反則)

フォルトは反則行為で、相手にポイントが入ります。主なフォルトは以下の通りです。

  • ネットオーバー:打球時にラケットや体がネットを越えた
  • ネット接触:ラリー中にラケットや体がネットに触れた
  • ダブルヒット:1回のスイングでシャトルを2回打った
  • キャリー・スリング:シャトルをラケットに乗せて運んだ(引きずった)
  • ボディーヒット:シャトルが打者自身の体や衣服に当たった
  • インベーション:相手コートに侵入した
  • アウト:シャトルがコート外に落ちた
  • ネットアンダー:シャトルがネットの下を通った

レット(やり直し)

レットはプレーを一時停止してラリーをやり直すことです。ポイントは入りません。主なレットの状況は以下の通りです。

  • シャトルが別のコートから飛んできてラリーを妨げた
  • レシーバーの準備が整っていないのにサービスが打たれた
  • ラリー中にシャトルの羽根がばらけてコルクから分離した
  • 審判が何らかの理由でプレーの継続が適切でないと判断した

セット・マッチの流れ

試合の進行ルールについても確認しておきましょう。

ゲーム(セット)の構成

  • 1試合は3ゲームマッチ(2ゲーム先取制)が標準
  • 1ゲームは先に21点を取った方が勝ち
  • 1・2ゲーム終了後、選手はコートを交替(エンドチェンジ)する
  • 第3ゲームは先に11点に達した時点で再度コートを交替する

インターバル

  • 各ゲーム中に一方が11点に達した時点で1分間のインターバルが設けられる
  • 各ゲームの間は2分間のインターバルが設けられる
  • インターバル中の指導者によるコーチングは通常認められている

ダブルス特有のルール

ダブルスにはシングルスとは異なる特有のルールがあります。

サービスの順番

ダブルスのサービス順は複雑に見えますが、シンプルな原則があります。

  • 試合開始時、サービス側のどちらが最初にサービスするかを決める(コイントスなどで)
  • サービス権が移動したとき、次のサービスはそのチームのどちらの選手でも行える(ただし直前のサーバーがそのままラリーを続けることはできない)
  • ゲームを取った側は、次のゲームのファーストサービスを任意のプレーヤーが行える

レシーバーの規則

ダブルスでは「サービスを受けるコートに立つ選手」がレシーバーとなります。パートナーがサービスを受けることは反則(アウトオブターン)です。試合中に意図せずパートナーにシャトルが当たった場合はフォルトになります。

点数のつけ方で迷いやすいケース

試合中に「これはインか?アウトか?」「どっちのポイント?」と迷うケースについて整理します。

シャトルがラインに触れた場合

ライン上に落ちた場合はイン(ポイント有効)です。これはテニス・バレーボールと同様のルールです。シャトルのコルク部分だけでなく、羽根部分のどこかがラインに触れていればインとみなされます。

シャトルがネットに触れてコートに入った場合

ラリー中にシャトルがネットに触れながら相手コートに入った場合はプレー続行(有効)です。ネット越えに成功しているため、フォルトにはなりません。サービス時にシャトルがネットに触れて相手コートに入った場合は「レット(やり直し)」です。

シャトルが天井(または天井の設備)に当たった場合

シャトルが天井・照明・バスケットゴールなどの設備に当たった場合はフォルト(打った方の失点)になります。これは「打ったシャトルはネットを越えてコート内に落ちなければならない」というルールに基づいています。

ラケット・シャトルに関する規則

試合で使用するラケットとシャトルにもBWFが定める規格があります。公式大会に参加する際は、使用する用具が規格に適合しているかどうかを確認しておきましょう。

ラケットの規格

  • 全長:680mm以内
  • ストリングエリアの全幅:230mm以内
  • 全長(ストリングエリア含む):580mm以内
  • 素材:カーボン・グラファイト・アルミなど、特別な制限はないが「性能上の理由から著しく有利になるもの」や「電子機器」の搭載は禁止
  • ガットの交差:縦横のガットが均等に交差していること(パターンの特例は認められない)

シャトルコックの規格

  • 羽根の本数:16枚
  • 羽根の長さ:62〜70mmの範囲内で統一されていること(全羽根が同じ長さ)
  • コルク(ベース)の直径:25〜28mm
  • 重量:4.74〜5.50g
  • スピードテスト:コート終端から全力でハイクリアーを打ち、相手コートのベースライン付近に落下することが要件

試合中のラケット使用規則

試合中は原則として自分のラケットのみを使用します。パートナーのラケットを借りてプレーすることはできません(ダブルスでもそれぞれが自分のラケットを使用)。ガットが切れた場合は、ラリーが終了した後にラケットを交換できます。交換用のラケットのガットのテンションや種類に制限はありませんが、交換の手続きは審判に申告してから行いましょう。

試合に出るために知っておくべきマナーと慣習

バドミントンには明文化されていないマナーや慣習があり、試合に出始めた初心者が特に注意すべき事項があります。

シャトルの状態確認

プレー開始前に双方でシャトルの状態(スピードが適正かどうか)を確認する慣習があります。スピードチェックは数本打ち合って行い、双方が納得してから試合を始めましょう。

シャトルの渡し方

シャトルをラケットで転がして相手に渡す、または手渡しで渡すのが基本マナーです。力強く叩いて相手に向けて打つ行為は避けましょう。

得点後の言動

得点後に大げさなガッツポーズや相手を煽るような行動はマナー違反とされることがあります。特に学校大会や地域のクラブ大会では「スポーツマンシップ」を重視した行動が求められます。

審判員への態度

ジャッジ(判定)に不満があっても、審判に怒鳴ったり暴言を吐いたりする行為は厳禁です。納得できない判定があれば、落ち着いて審判に確認を求める(「コールを確認させてください」など)のが正しい対応です。

よくある質問

Q. サービス権はどうやって決めますか?

試合開始前にコイントスまたはラケットのスピン(ラケットを地面に立てて倒したときにラケットのロゴが上を向く/下を向くを当てる)で決めます。勝った方が「先にサービスするか/レシーブするか/コートを選ぶか」のどれかを選ぶ権利を持ちます。第2ゲーム以降は前のゲームで負けた方が先にサービスをするか選択できる場合もありますが、大会ルールによって異なります。

Q. シャトルが相手に当たった場合はどうなりますか?

シャトルが相手の体・衣服・ラケットに当たった場合、打たれた側(当たった側)のフォルトになります。つまり、打った方のポイントになります。これはシャトルが相手に向かって打たれた場合でも同様です。ただし、シャトルがコートの有効エリア外で当たった場合(アウト後に当たった場合)は、打った方の失点になります。

Q. タイブレーク(デュース)中に29対29になったらどうなりますか?

29対29になった時点で、次の1点を取った方が30点でゲームを取ります。これを「キャップ」と呼びます。バドミントンのラリーポイント制では、デュースが29対29まで続いた場合に自動的に終了させる制度が設けられており、1ゲームが無制限に延長されることはありません。

Q. 体育の授業のバドミントンと公式試合のルールは同じですか?

基本的なルールは同じですが、授業では簡略化されることがあります。例えばサービスのフォルト判定(腰の位置など)は授業では厳密に適用しないことが多く、点数形式も変更されることがあります。また、コートサイズや人数(4対4などの変則形式)が変わることもあります。公式試合を目指す場合は、BWFルールを正確に把握しておく必要があります。

Q. 試合中にラケットを交換することはできますか?

ラリーの途中でラケットを交換することはできません。ただし、ラリーとラリーの合間(ポイントが決まった後)には交換可能です。ガットが切れた場合も、ラリー中は続行し、ポイント確定後に交換します。大会によっては使用ラケットの事前申告が必要な場合もあるため、主催者のルールを確認しましょう。

まとめ:ルールの理解が試合での自信につながる

バドミントンのルールについて、コートのサイズから点数のカウント方法、フォルト・レット、ダブルス特有のルールまで詳しく解説しました。

ルール理解の5つの重要ポイント

  1. ラリーポイント制を正確に理解する — サービス権に関係なく、ラリーを制した方がポイントを得る
  2. シングルスとダブルスのコートの違いを把握する — サービス時とラリー時でサイドラインが変わる
  3. サービスフォルトの条件を覚える — 腰の位置・ラケットの角度・足のラインが主なチェック項目
  4. フォルトとレットの違いを理解する — フォルトは失点、レットはやり直し
  5. ルールを守りながらマナーも意識する — 競技力と人間力の両方を磨く

ルールを正確に知ることは「試合に出るための最低限の準備」です。ルールを把握した上で、次は技術を磨くことに集中しましょう。正しい技術と正確なルール理解の両輪が揃ったとき、あなたのバドミントンは本物の力を発揮します。

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